X(旧Twitter)の削除依頼のやり方|誹謗中傷・名誉毀損の申告と通報の違い
最終更新日: 2026-10-24
この記事の結論
- X(旧Twitter)で誹謗中傷や個人情報の投稿をされた場合の削除依頼の方法を解説。
- ルール違反通報とプライバシー侵害・権利侵害の申告フォームの違い、削除されない場合の発信者情報開示請求への流れ、リポストやスクショ転載への
- 本記事では、削除依頼の前に証拠を保全する/「通報」と「削除依頼」は同じではない/削除依頼が認められやすいケース・難しいケース を扱っています。
X(旧Twitter)は拡散力が高く、誹謗中傷の投稿が短時間で多くの人の目に触れやすいSNSです。削除を求める方法には、大きく分けて「ルール違反としての通報」と「プライバシー侵害・名誉毀損を理由とする権利侵害の申告」の2種類があり、どちらを使うかで結果が変わることがあります。本記事では、この2つの違いと使い分け、通報だけで解決しない場合に検討すべき発信者情報開示請求への流れを解説します。
削除依頼の前に証拠を保全する
通報や削除依頼によって投稿が消えると、後から投稿者を特定して損害賠償請求をしたくても証拠が残らず、立証が難しくなることがあります。依頼を送る前に、必ず次の記録を残してください。
- 該当ポストのURL(個別ポストのパーマリンク)
- 投稿日時・アカウント名・ユーザーID(@から始まる表示)がわかるスクリーンショット
- リポスト数・いいね数・引用ポストなど、拡散の程度がわかる画面
- 返信欄に別の誹謗中傷が続いている場合は、そのスレッド全体
スマートフォンのアプリ内スクリーンショットだけでなく、URLバーが写るブラウザ画面でも保存しておくと、後の手続きで投稿の同一性を示しやすくなります。
「通報」と「削除依頼」は同じではない
Xには大きく分けて2つの申告経路があり、目的や審査の観点が異なります。混同すると、本来使うべき経路を使わないまま「通報したのに消えない」という状況になりがちです。
1. ルール違反通報(アプリ内の「報告」機能)
各ポストのメニューから「ポストを報告」を選び、嫌がらせ・ヘイト行為・スパムなど、Xの利用者ルールへの違反を理由に通報する方法です。誰でも手軽に行え、対象が自分自身についての投稿でなくても通報できますが、判断はX側のルール適用に基づく審査に委ねられ、権利侵害の有無を個別に認定する手続きではありません。
2. プライバシー侵害・名誉毀損を理由とする権利侵害の申告
自分自身(または自社)の名誉権・プライバシー権が侵害されていることを理由に、権利者本人として削除を求める経路です。ルール違反通報よりも個別性の高い審査が期待できますが、「誰の」「どの投稿によって」「どの権利が」侵害されているかを具体的に説明する必要があります。Xの規約上の取り扱いはX利用規約で公開されている内容が基準になります。
個人情報や自宅・勤務先の特定につながる投稿(いわゆる晒し行為)、なりすましアカウントによる投稿は、単なる誹謗中傷よりも権利侵害の申告が認められやすい傾向があるとされています。
Xは削除申出への対応が法律で義務付けられた事業者
総務省は2025年4月30日、情報流通プラットフォーム対処法(旧プロバイダ責任制限法)第20条第1項に基づき、X Corp.(サービス名 X)を「大規模特定電気通信役務提供者」に指定しました(総務省 報道資料 令和7年4月30日)。同じ日に YouTube・Yahoo!知恵袋・LINEオープンチャット・Instagram・TikTok などの運営会社も指定されています。
指定された事業者には、同法で次の対応が義務付けられています(総務省「情報流通プラットフォーム対処法」概要)。
| 義務 | 条文 | 削除を求める側にとっての意味 |
|---|---|---|
| 削除申出の窓口の整備・公表 | 第22条 | 権利侵害を理由に削除を求める窓口が公表されている |
| 削除申出への対応体制の整備 | 第24条 | 申出を審査する体制を持つことが求められている |
| 削除申出に対する判断・通知 | 第25条 | 削除するかどうかの判断結果が申出者に通知される |
| 削除基準の策定・公表 | 第26条 | どんな投稿を削除するかの基準を事前に確認できる |
| 削除した場合の発信者への通知 | 第27条 | 削除されると投稿者にも通知が届く |
アプリの「ポストを報告」はXの利用者ルールに照らした審査ですが、名誉毀損やプライバシー侵害を理由とする申出は、この法律の手続きの上で判断と通知が行われます。申出の際は、どの投稿(URL)が、自分のどの権利を、どう侵害しているかを具体的に書き、保存した証拠と食い違わないようにしてください。
この節は2026年10月22日に一次資料を基に追加した一般情報です。ページ上部の監修表示は、この節の専門家による確認を示すものではありません。
削除依頼が認められやすいケース・難しいケース
| ケース | 傾向 |
|---|---|
| 氏名・住所・勤務先など個人情報の暴露を伴う投稿 | プライバシー侵害として認められやすい |
| 事実無根の犯罪行為・不祥事の指摘 | 名誉毀損として認められやすい |
| なりすましアカウントによる投稿 | 本人確認資料の提出により対応されることが多い |
| 単なる批判・皮肉・感想の域を出ない投稿 | 意見・論評として権利侵害が認められにくい |
通報・削除依頼で解決しない場合の選択肢
1. 発信者情報開示請求の検討
投稿者を特定して法的責任を追及したい場合は、発信者情報開示請求という手続きがあります。手順や費用の目安は発信者情報開示請求の費用と流れで解説しています。Xのようにアカウント情報のみで投稿者が匿名化されているサービスでは、IPアドレス等の開示を経てアクセスプロバイダを特定する2段階の手続きが必要になるのが一般的です。
2. 開示請求後に意見照会書が届いた場合の対応
開示請求が行われると、投稿者側にはプロバイダから意見照会書が送付されます。自分が照会を受ける立場になった場合の対応は発信者情報開示の意見照会書が届いたときの対応で解説しています。逆に、投稿を理由に慰謝料請求を受けた場合の対応は誹謗中傷で慰謝料請求された側の対応を参照してください。
3. 公的な相談窓口の利用
自分での対応に不安がある場合は、総務省委託の違法・有害情報相談センターで削除依頼の書き方等について助言を受けられます。法務省の人権擁護機関もインターネット人権相談受付窓口を設けており、SNS上の誹謗中傷やプライバシー侵害についての相談を受け付けています。2022年施行の改正法により、発信者情報開示の手続きが1つの裁判手続き(非訟手続き)で行えるようになった経緯は総務省「インターネット上の違法・有害情報に対する対応」で公開されています。
リポスト・引用ポスト・スクリーンショット転載への注意
Xの誹謗中傷対応で特に厄介なのは、元の投稿を削除できても、リポストや引用ポストという形でコピーが残り続ける点です。さらに、投稿内容がスクリーンショットとして撮影され、まとめサイトや別のSNSに転載されることもあります。元投稿の削除依頼と並行して、拡散先ごとに対応を検討する必要があり、転載サイトへの削除依頼の考え方はまとめサイト・ミラーサイトの削除依頼方法が参考になります。
また、削除された投稿の内容を第三者が改めて投稿し直す(いわゆる「蒸し返し」)ケースもあるため、一度削除されたからといって安心せず、しばらくは関連の投稿がないか継続的に確認することをおすすめします。検索コマンドやツールを使ってX上の関連投稿を継続的に見つける方法はX(旧Twitter)の誹謗中傷を監視する方法で解説しています。
削除依頼の文章作成のポイント
権利侵害の申告フォームに記入する説明文は、感情的な訴えよりも「誰の」「どの投稿の」「どの記載によって」「どのような権利が」侵害されているかを客観的に整理した内容の方が、審査担当者に伝わりやすいとされています。投稿内容が事実と異なる場合は、その根拠となる資料もあわせて示せると、判断材料として役立ちます。一度の申請で対応されなかった場合でも、追加の資料や説明を用意して再申請できる場合があります。
情報流通プラットフォーム対処法にもとづいて総務省に届け出られたX(旧Twitter)の削除申出窓口はこちらです(総務省の一覧、2026年10月24日確認)。ほかのサービスの窓口は大手サービスの削除申出窓口の一覧にあります。
この節は2026年10月24日に一次資料を基に追加した一般情報です。ページ上部の監修表示は、この節の専門家による確認を示すものではありません。
よくある質問(FAQ)
Q1. ルール違反通報と権利侵害の申告、両方送ってもよいですか。
A. 両方の経路を利用すること自体は可能です。ただし、権利侵害の申告では具体的な説明が求められるため、内容を分けて丁寧に記載することをおすすめします。
Q2. 鍵アカウント(非公開アカウント)からの投稿でも削除依頼できますか。
A. 公開範囲にかかわらず、権利侵害を主張して削除を求めること自体は可能です。ただし閲覧できる範囲が限られるため、証拠保全の方法や立証のしやすさが変わる場合があります。
Q3. 海外のサーバーを経由しているため、削除に時間がかかると聞きました。本当ですか。
A. 海外事業者への手続きは国内サービスと比べて時間を要する場合があるとされています。正確な見通しは相談窓口や弁護士に確認することをおすすめします。
Q4. 削除代行をうたう業者に依頼してもよいですか。
A. 弁護士資格のない業者が報酬を得て削除交渉を代行することは、弁護士法72条(非弁行為の禁止)に違反するおそれがあります。交渉や法的手続きを依頼する場合は弁護士に相談してください。
免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、削除の実現や開示請求の成功を保証するものではありません。個別の対応については、総務省委託の違法・有害情報相談センター、法務省のインターネット人権相談受付窓口、弁護士等の専門家にご相談ください。
この記事の監修弁護士
松本 理平 弁護士(第一東京弁護士会・登録番号55199)/青山北町法律事務所
監修範囲:本記事中の法律に関する記述。個別の事案の見通しを示すものではありません。
一人で抱えず、まず状況を整理しましょう
削除・投稿者の特定・損害賠償のどれが向くかは、媒体・証拠・期限で変わります。下の3ステップで整理できます。
※ 削除・発信者情報開示・慰謝料・損害賠償・解決を保証するものではありません。秘密厳守で対応します。
ネット誹謗中傷相談ナビの相談前整理事例
サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。
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※ 削除、発信者情報開示、慰謝料・損害賠償の結果を保証するものではありません。個別の見通しは弁護士にご相談ください。