Google口コミの名誉毀損|削除の報告と法的な削除依頼の違い
この記事の結論
- Googleマップの口コミを消す道は2つあります。Googleのポリシー違反として報告する方法と、名誉毀損など法律上の理由で削除を求める方法です。どちらもGoogleが審査して決めます。
- 否定的なだけの口コミは消えません。Googleは「内容に不満がある、気に入らないという理由だけで報告しないで」と案内しています。実体験に基づかない投稿、競合による投稿、事実と違う具体的な内容が書かれた投稿が対象になり得ます。
- 投稿者に賠償を求めるには、発信者情報開示で投稿者を特定する必要があります。口コミの削除と引き換えにお金や割引を出すことはGoogleのポリシーで禁止されているので、投稿者と取引しないでください。
最終更新日: 2026-10-23
お店や会社のGoogleビジネスプロフィールに、事実と違う口コミや評判を落とす書き込みが付いたときに、何ができるかを整理しました。Googleの手順は2026年10月23日時点のヘルプページの記載に、法律の部分は条文と判例にもとづいています。
口コミが名誉毀損になる場合
名誉毀損罪(刑法230条)は、公然と事実を示して人の社会的評価を下げたときに成立します。「人」には会社やお店を営む法人も含まれます。口コミは誰でも見られるため、公然性は満たしやすい一方、「料理がまずかった」「接客が感じ悪かった」のような感想や評価は、具体的な事実を示したとは言いにくく、名誉毀損にあたらないことが多くなります。
| 書き込みの例 | 考え方 |
|---|---|
| 「この店は賞味期限切れの食材を使い回している」 | 真偽を確かめられる具体的な事実。事実でなければ名誉毀損が問題になり得る |
| 「二度と行かない。最悪」 | 感想・評価。名誉毀損にはあたりにくい |
| 「店長は前科持ち」 | 事実の摘示で、真偽にかかわらずプライバシーや名誉の侵害が問題になり得る |
公共の利害に関する事実で、もっぱら公益を図る目的があり、真実と証明された場合は罰せられません(刑法230条の2、e-Gov法令検索「刑法」)。要件の詳しい説明は名誉毀損の成立要件にあります。
Googleのポリシー違反として報告する
Googleは、実体験に基づいていない口コミ、金銭や割引などの対価と引き換えに投稿・修正・削除された口コミ、競合他社が評判を傷つける目的で投稿したもの、利益相反に基づくもの、なりすましなどをポリシーで禁止しています(Google マップのユーザー投稿コンテンツに関するポリシー)。
| 手順 | 内容(Googleビジネスプロフィール ヘルプより) |
|---|---|
| 報告 | ビジネスプロフィールの[クチコミを読む]から、対象の口コミの[報告]を選び、理由を選んで送信する。審査には通常数日かかる |
| 状況の確認 | クチコミ管理ツールで「判定待ち」「審査完了 - ポリシー違反なし」などの状況を見られる |
| 再審査請求 | 違反なしと判断された口コミについて、1回限りの再審査請求ができる。一度に選べるのは10件まで |
Googleは、事業者とユーザーの間の紛争には関与しないとしています(不適切なクチコミを報告する)。否定的な口コミを理由に金銭を要求されている場合は、報告の手順とは別にインシデントとして報告する案内もあります。要求の記録の残し方は「お金を払えば口コミを消す」と言われたらを参考にしてください。
法律上の理由で削除を求める
ポリシー違反ではなくても、名誉毀損やプライバシーの侵害など法律に反すると考える内容は、Googleの法的な理由でコンテンツを報告するフォームから削除を求められます。Googleはそのコンテンツを審査し、アクセスのブロック・制限・削除をするかどうかを検討します。送った通知の写しが、送信者の連絡先を除いて外部のデータベース(Lumen)で公開されることがある点も案内されています。
なお、総務省が2025年4月30日に情報流通プラットフォーム対処法の「大規模特定電気通信役務提供者」に指定したGoogle LLCのサービス名はYouTubeで、Googleマップは挙げられていません(総務省 報道資料)。指定事業者に課される、申出から一定期間内に削除するかどうかを通知する義務(同法25条、e-Gov法令検索)が、Googleマップの口コミにそのまま当てはまるわけではない点に注意してください。
投稿者に責任を問う場合
口コミの投稿者に損害賠償を求めたり、刑事告訴をしたりするには、まず投稿者が誰かを特定する必要があります。手続きは発信者情報開示命令の申立てで、ログの保存期間があるため早めに動くことが大切です。流れは発信者情報開示請求の費用・流れ・期間、賠償の考え方はネット誹謗中傷の慰謝料・損害賠償にまとめています。
最初に残す記録
- 口コミの画面(投稿者名・投稿日・星の数・本文が入るように)と、口コミのURL(口コミの共有ボタンからコピーしたもの)。
- 口コミの内容が事実と違うことを示す資料(予約記録、レシート、防犯カメラの記録の有無など)。
- 報告や再審査請求をした日と、その結果のメール。
- 来店数や予約数の変化など、仕事への影響と日付。
保存のしかたは投稿URLとスクリーンショットの保存方法にあります。
よくある質問
星1つだけの評価も削除できますか?
否定的な評価というだけでは削除されません。実体験に基づかない投稿や、競合による投稿など、Googleのポリシーに違反している場合に削除の対象になります。
口コミを消してもらう代わりに投稿者に割引を出してもよいですか?
やめてください。否定的な口コミの修正や削除と引き換えにインセンティブを提供する行為は、Googleのポリシーで禁止されています。
報告が通らなかったらどうすればよいですか?
1回限りの再審査請求ができます。名誉毀損など法律上の問題があると考える場合は、法的な理由での削除依頼や、発信者情報開示の手続きも検討してください。
本記事は一般的な情報提供で、個別の口コミが名誉毀損にあたるか、削除・開示・賠償が認められるかを判断するものではありません。Googleの手順は変わることがあるため、最新のヘルプページを確認してください。